テキストサイズ

シャイニーストッキング

第13章 もつれるストッキング2     佐々木ゆかり

 73 敦子の想い(10)

 わたしはいつもの取り巻き連中に誘われるままにお立ち台へと登り…
  ゆかりお姫さまと一瞬、見間違ってしまった程の凛としたオーラを放つ存在の女性に近づいていく。


 そして激しく心を揺らがらせながら…
 
 あの人、あの女は誰なの?…
 と、不惑の昂ぶりを感じ、踊りながら近づき、顔を見る。


 うわ、き、キレイな人だ…
 やはりその女性も、ゆかりお姫さまに劣らずキレイであった。

 いや、わたしの憧れで羨望の存在のゆかりお姫さまより、ずうっと大人の女性に見える…
 そしてやはり凛とした美しさと品位というのか?
 大人の女性の魅惑さを感じたのだ。

 確かゆかりお姫さまは大学三年生になったっていっていた…
 だが、この女性はどう見ても大学生、学生の類では無く…
 大人の色気と艶と品位を感じる。

 すると…

 お立ち台の廻りで踊っている女達から…

『まゆみサマじゃないの?…』

『そうよまゆみサマよ』

『元クイーンのまゆみサマだわ』
 と、騒つき始めてきたのだ。

 え、元クイーンて?…

 わたしは踊りながら、さり気なく、廻りの声を拾い、聞いていく。

『久しぶりじゃない』

『うん、そうね、久しぶり、三年振りくらいになるかな?』

『うわぁ、やっぱりぃ、変わらずにキレイだわぁ』
 等々、お立ち台の廻りの輩達がそう騒ついていたのだ。

 どうやら、この『CANDY』での三年くらい前に君臨していた元クイーンと称されている通称『まゆみサマ』という存在の女性が久しぶりにここに現れた…
 という事の様であった。

 元クイーン…

 まゆみサマ…

 彼女は居なくなってしまったわたしの憧れで、羨望の存在である
『ゆかりお姫さま』に優るとも劣らない美しさと…
 色香と艶と凛とした魅惑を持っていたのだ。

 ドキドキドキドキ…

 そしてわたしはなぜか彼女を見て、心の昂ぶりを自覚してきていた。

 それはまるでゆかりお姫さまに対して、感じ持っていた憧れの昂ぶりに似ていた…

 いや、きっとわたしは…

 美しく、凛とした艶と色香に魅せられ、惹かれるらしいのだ。

 ドキンっ…

 するとわたしは、その『まゆみサマ』と目が合ってしまい…

 一気に高鳴ってしまう…

 
 

ストーリーメニュー

TOPTOPへ