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シャイニーストッキング

第13章 もつれるストッキング2     佐々木ゆかり

 78 敦子の想い(15)

 これが、まゆみサマとの初めての出会いの夜であった…

『うん、まだすっごく若いみたいだけどぉ…
 わたしぃ、アナタを気に入ったわぁ』
 まゆみサマはわたしの目を見つめながら、そう囁いてきた。

『ねぇ、お名前はぁ?』

『あ、あ、敦子…で…す…』

『ふぅん、敦子、あつこ、あっちゃんかぁ…
 大切にするねぇ』

『あ…』
 わたしはこの時点ですっかり彼女、まゆみサマに心もカラダも魅了されてしまった。


 まゆみサマ…

 後藤真由美28歳、歯科医師…
 この一回り以上の凛として美しく、理知的な魅惑的なホンモノのビアンの彼女とのこの出会いが、わたしの中に隠れていた性嗜好、思考、指向を覚醒させたのである。

『さぁおいでよ、うんと愛してあげるわぁ』
 わたしはそのままトイレから抱き抱えられる様に『クラブCANDY』から『横浜インターコンチネンタルホテル』のセミスイートルームへと誘われ…

 初めてのビアンの、しかも興味本位ではないホンモノの…
 女同士の深いレズビアンセックスの快感に落ちていったのだ。

 その快感と絶頂感と深いエクスタシーは、またガキであったわたしの心とカラダに…
 いや、僅かな浅い男性経験の、未熟なセックスという価値観と性的嗜好を根本的に変えたのであった。

 しかも、彼女、まゆみサマはまだガキの、いや、若い高校生のわたしを本当に大切にかわいがって、ううん、本当に大切に愛してくれたのである…

 そしてその彼女との関係はわたしが大学1年の夏まで、約4年間も続いたのだった。
   


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