テキストサイズ

シャイニーストッキング

第13章 もつれるストッキング2     佐々木ゆかり

 129 絡まる想いの意味

 その絡まる指先はまるで、今朝の敦子が絡めてきた仕草と同じ動き…

 あ、んっ…

 そしてまた、美冴さんのスカートから伸びた艶やかな光沢の美しいストッキング脚が…
 わたしの脚にも触れ、絡めてきたのだ。

 こ、これは…
 指先も脚も、まるで今朝の敦子の動き、仕草と同じ…

 ドキドキドキドキ…

 ウズウズウズウズ…

 そんな美冴さんの絡まりにわたしは一気に、あのお盆休み中の禁断の2日間のビアンの妖しく、淫らな快感が蘇り、更に心が昂ぶり、カラダが、いや、奥をも疼かせてしまう。
 そして昨夜の敦子とのあの深く、激しく、甘く、淫靡で淫らな蕩けてしまうような快感、エクスタシーもが心に蘇ってきてしまったのだ。


「…………」

 あ…

 だがしかし、その見つめてくる美冴さんの目を見ると今朝の敦子の絡まりの想いとは違う、いや、それは…

 え、あ…

 それは、今朝のわたしの不惑な挙動を見ての…
『ゆかりさん、大丈夫なの?』
 という心配の想い…

 そして…
『まさか、昨夜、伊藤さんと?』
 
 え?…

 ま、まさか、し、嫉妬の想い?…

 越前屋さんの存在を意識した控え目なわたしを見る、いや、なんとなく伺う様な感じの視線は…
 今朝のわたしの不惑な挙動を見ての
『心配』の想い。

 そして絡まる指先と脚から、ううん、お互いにストッキングを穿いた脚同士の絡まり、接触している肌、いや、ストッキングというナイロン繊維越しから伝わり感じてくる美冴さんの感情からは…
『まさか昨夜、伊藤さんと…愛し合ったの?』
 という、今朝のわたしの目の揺らぎを見て、感じての…
『わたしがいるのに、まさか伊藤さんと?』
 そんな嫉妬心の想いの揺らぎの感情が、接触しているストッキング脚から伝わってきたのだ。

 いや…
 そう感じてきたのである。

『わたしはね…
 ストッキングラブな女なの』
 あの夜、美冴さんがそうカミングアウトをしてきた…
『昔のゆうじという元カレにストッキングラブという嗜好、思考を植え付けられてしまった女なのよ』
 
 だから美冴さんにとってのこの脚を、ストッキング脚を絡めてくる動き、挙動は…
 深い、いや、わたしへの愛の想いの証でもあるはず。

 今朝の敦子の脚の接触は、昨夜の余韻の流れからの想いの絡まりであるに違いなく…
 


ストーリーメニュー

TOPTOPへ