テキストサイズ

シャイニーストッキング

第13章 もつれるストッキング2     佐々木ゆかり

 131 美冴さんの指先…

 その絡まれ、触れられている感触からは熱い想い、感情、いや、愛情、そして嫉妬心が伝わってきているのだが…

 美冴さんは平気なのか?

 そんな越前屋さんに普通に受け応えをしている美冴さんの様子を揺らぎながら伺う。

 え?…

 だがその越前屋さんと普通に会話をしている美冴さんの様子は全く普通なのだ…
 しかも、指先、ストッキング脚を絡ませているのにも関わらず。

 あっ…

 ドキドキドキドキドキドキドキドキ…

 すると更に美冴さんは、なんと…
 絡めていた指先をスッと外し、離したと思うや否や、今度はわたしの脚に、いや、膝をスッと触れてきたのである。

 ドキンっ…

 ドキドキドキドキドキドキドキドキ…

 その触れてきた指先が、膝、膝頭、膝の脇、そして内側へと、ゆっくりと撫でて…

 いや、その指先の動き、撫で方は…

 まるでこの前に禁断の愛を交わし合った時の…

 愛撫、愛撫そのものの触れ、撫で方なのだ。

「…………っ…」
 わたしはビクンと脚を震わせてしまい、そして慌てて美冴さんの顔を見るのだが…

 え、あ…

 その美冴さんはまるで何もしていないかの様な澄ました顔をして、いや、わたしの方には見向きもせずに…
「あぁそうだ、決起集会の予定は組めたの?」
 と、越前屋さんに話し掛けていく。

「……っ」
 そして美冴さんの指先が大胆に膝の内側からゆっくりと太腿の方へと動いてきて…
 つまりその指先が膝丈のスカートの中にゆっくりと忍び込んでくる、という動き、いや、正に愛撫そのものの動きにわたしには感じられてしまい。

 ドキドキドキドキ…

 ウズウズウズウズ…

 と、疼き昂ぶり…

 ザワザワザワザワザワザワザワザワ…
 と、心が激しく揺れ、揺らいできてしまっていた。

「あ、はい、今度の金曜日の夜にぃ、わたしの叔母さんのお店でやる事に決まってぇ…」
「へぇ、そうなんだぁ」
「はい、そうなんですぅ…」
 と、美冴さんはシラッと越前屋さんとの会話を続けている。

 わたしはその傍らでそんな美冴さんの指先による愛撫の動き、ストッキング脚同士の絡まる密着感に疼き、昂ぶり、心を揺らがせ…
「………っ」
 黙って前を向き固まっていた。

 この美冴さんの指先の動きは?

 疼き、昂ぶり、心が不惑の想いに揺らいでしまう…



ストーリーメニュー

TOPTOPへ