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シャイニーストッキング

第14章 もつれるストッキング3          常務取締役大原浩一

15 不思議な力

「ほう、その話しは凄いなぁ…」
 私は本当に驚いていたが、一つの疑問も湧いてきていて…
「だけどそんなにファンド系に強くて優秀な人物が、なぜ保険会社に?
 普通だったら証券会社や投資ファンド系の会社にいた方が良いのでは?」
 と、疑問を問うた。

「あ、はい、それはもちろん、誰もがそう思うと…
 でぇ、昔、わたしは青山さんに直接聞いたんです」

「おや、キミはその青山某氏と面識があるのか?」
 
「はい、ありますぅ、実は…」
 …なんとその青山某氏は越前屋の同期であり同級の兄なのだそうなのだ、そしてそれが縁で何度となく会い、話し、相談したりしていたのだという…

「その時にわたしも常務さんと同じ疑問を訊いたんですぅ…
 そうしたらぁ、やはりわたしと同じ様に身内に震災で不幸があってぇ、そんな人達に少しでも多くの保障をしたいから…と、某大手証券会社から転職してきたんだそうです…」

「そ、そうか、そうなのか」
 その越前屋の話しを聞き、彼女の持っている不思議な魅力に鳥肌が立つ様な驚きを感じたのだ…
 いや違う…
 彼女のヒロイン的な要素の強さを感じたのである。

 なぜなら…
 この破綻寸前の『○△生命保険株式会社』という元々の旧態依然とした社風と極端に偏った経営状態のこの会社内で、理想の保険を求めてこの越前屋朋美は『国家上級公務員』といういわゆる国のエリートの道を蹴ってまで必死に抗い、闘っていたから。

 そしてその孤軍奮闘といえる必死の抗いが、今、こうして例の前常務により各地に不等に飛ばされた優秀な人材達と繋がりを持つという見えない秘かな力に通じ、それがまさにヒロイン感の表れといえると…
 だからそんなその見えない彼女の不思議なパワーに驚いてしまっていたのである。

 やはりこの越前屋朋美という存在は私にとって最高で、最良なパワー、いや、不思議な力を授けてくれそうだ…

 そしてそんな彼女はこうして優秀な人材達と私を結び付けてくれ…
 いや、最高で最愛のパートナーである佐々木ゆかりや…
「うわぁ越前屋さんの人脈は最強ですねぇ、これも全部アナタの魅力からなんですねぇ」
 と、やはり彼女の力、パワー、魅力に気付いているもう一人の最高で最愛の存在である松下律子とも更に強固に結び付けてくれ、いや、最強の緩衝材的な存在感を発揮してくれる筈なのだ。
 

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