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シャイニーストッキング

第8章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一

 120 そして今夜…⑤

「…はぁぁ…ふ、ふぅ…う…」
 すると、安堵の吐息を漏らしてくる。

 どうしてそこまで我慢するのか…
 と、訊いてみたいのだが、なんとなく訊いてはいけない様な気がしていた。

 なんとなく触れてはいけない何かがあるのかもしれない…
 律子にもそう想っていて訊いてはいなかったのだ。

「あぁ、こっぺ…す、すごいね…」
 少し余裕が出来たのか、そう囁いてくる。

「そう?、そんな凄くはないよ…」
 私はゆっくりと腰を動かしながらそう応える。

「え、そうなの…」
 と、意外な顔をしながら返してきた。

「うん、まだまだ余裕だよ」
 そう言うと、驚いた様な表情に変わる。

 あ、そうか…
 どうやら唯一の男であった元旦那は、きっと速かったのだ…

 おそらくそうだ、速かったのだろう…

 すると不意に、私が若い時分、30代の頃に、遊びで抱いた女が同じ様な事を云っていた記憶が蘇ってきていた。
『アイツさぁ、速くてさぁ…』
 その女は当時、自分の元カレの事をよくそう云っていたのだ。

 だからきよっぺの元旦那も、多分、そうなのであろう…

 きよっぺにとっての男とは、セックスとは、元旦那なのだ…

 それは仕方がないことでもあったのだ、なぜならば男との経験がその元旦那しかないのだから、そして私が2人目の男なのであるのだから。

 私は、彼女が、いや、きよっぺのことが、ますます愛おしく感じてきてしまっていたのである。

 そして、もっともっと感じさせてあげたい…と、そう思っていた。

「あ…ん……」
 そんな会話を交わしながらも、私はゆっくりと腰を動かし続けていたのである。
 
 どうやらさほどのセックスの快感の経験が無いようだから、ゆっくりと、じっくりと、解す様にしなくてはダメだ…
 と、想ってきていたのだ。

「どう、ゆっくり動かすのも感じるだろう?」
 そう訊くと…
「あ…んん…」
 と、高揚気味の目をして頷いてきた。
 
 ピチャ、ピチャ、ピチャ…
 すっかり濡れそぼった音が私の腰の動きと共に聞こえてくる。
 そしてゆっくりと動かしながら、少しだけ彼女のカラダをずらし、左脚の膝に手を掛け、開き気味した。

 すると…

 スッと彼女の手が股間に入り…
 自らの指先で、クリトリスに触れてきたのである。

 えっ…

 これは…




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