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第4章 合宿

合宿最終日。今日は、午前中の練習で終わりだ。

練習中安田がラケットを借りに来た。

「田中くん、これから試合するの!ラケット貸してくれるかな?」

と笑顔で言った。僕は、

「いいよ!」

と言って、ラケットを差し出すと、安田は、ラケットじゃなくラケットを持つ僕の手を軽く握った。

そして、手を滑らせラケットを持つと、

「これで頑張れそう!」

と言った。僕は、笑顔を見せた後、ちょっと周りを見た。

良かった、誰も見ていない!僕は、

「頑張って!」

と言って、軽く手を振った。

安田は、心配事がなくなったみたいだ!

僕は、安田との関係が男達に知られた時の嫉妬の嵐を思うと、多少の心配事は出来た。まー、喜びに比べれば微々たる心配だ。

今回の合宿は、僕にとって、練習も、人間関係も共に充実した、記憶に残る合宿となった。

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