ヌードモデルかんさつにっき
第8章 潮時
ここまで辱しめたわりには、意外なほど優しく指が侵入してきた。
ああっ、新鮮。
セックスの行程から指責めが省かれて久しいということを、いまになって思い出した。
指が、捜している。
残っている感覚器官がそこしかないというように、
彼の動きだけが私を支配する。
ぐ……ぐぅ……
屈伏の形にされた裸体。
拷問を受けている体内。
ビクンと反応する一瞬を見逃すまい、と彼の動きは慎重だ。
素っ裸にして観察しているのに、見逃すことなんてあるの?
というのが私の意見。
しかし、襲ってきた快楽のまえに、反対意見はあっけなく意味を失った。
筆舌につくしがたい一瞬の感覚のあと、
噴き上がった、潮。
その瞬間、私は「無」になった。
恥ずかしいとか、おぞましいとか、思いもしなかった。
なるほど、フローリング以外が汚れないように、こんなお尻丸出しポーズにされたんだ──今さら、気づいた。
どこまで飛び散ったのか確認する勇気はなく、
拷問に敗北した者は、ぐったりと裸体をさらすしかなかった。
▽
床の清拭は彼がやってくれた。
全裸の私はベッドに這い上がり、仰向けになって四肢を伸ばした。
長い夜だなぁ。
下着姿での前戯から、屈辱の全裸潮噴きに至るまで、普通の行為がないまま、夜は更けていく。
このまま眠ってしまいたいな。
▽
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ああっ、新鮮。
セックスの行程から指責めが省かれて久しいということを、いまになって思い出した。
指が、捜している。
残っている感覚器官がそこしかないというように、
彼の動きだけが私を支配する。
ぐ……ぐぅ……
屈伏の形にされた裸体。
拷問を受けている体内。
ビクンと反応する一瞬を見逃すまい、と彼の動きは慎重だ。
素っ裸にして観察しているのに、見逃すことなんてあるの?
というのが私の意見。
しかし、襲ってきた快楽のまえに、反対意見はあっけなく意味を失った。
筆舌につくしがたい一瞬の感覚のあと、
噴き上がった、潮。
その瞬間、私は「無」になった。
恥ずかしいとか、おぞましいとか、思いもしなかった。
なるほど、フローリング以外が汚れないように、こんなお尻丸出しポーズにされたんだ──今さら、気づいた。
どこまで飛び散ったのか確認する勇気はなく、
拷問に敗北した者は、ぐったりと裸体をさらすしかなかった。
▽
床の清拭は彼がやってくれた。
全裸の私はベッドに這い上がり、仰向けになって四肢を伸ばした。
長い夜だなぁ。
下着姿での前戯から、屈辱の全裸潮噴きに至るまで、普通の行為がないまま、夜は更けていく。
このまま眠ってしまいたいな。
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