もう推しとは言えない *番外編更新中
第9章 マッサージ
_翌朝。
目を覚ますと…ポチが、私の手を握ったままぐっすり眠っている姿が目に入る。
…私は起きちゃったけど、起こすのは悪いよね。
それに…まだ、手、繋いでいたいな…。
「あーあ…」
ポチってこんなに、睫毛長かったんだ…。可愛い。
(何でそんなに可愛いのに…)
「何で、推しにとどまってくれないの…?」
少し無防備な、子供みたいな寝顔。
七歳差…というのが大きいのか、小さいのかはよく分からないけど…。
今寝てるポチは、すごくあどけなく見える。
「…好き、って言ったら、ポチはどうするの…」
_お前さ、本当に俺はただの推しなの?
あの問いに、もしも…好き、って言ったら、ポチはこんな風に手を繋いでくれたかな…。
ねぇ、どうしたら、ポチのこと…好きじゃなくなる?
早く…ただの推しに戻ってよ…じゃないと、胸が苦しくておかしくなりそう。
「んー…」
(あ、ヤバい、起きた…?)
そう思ったけれど、そんなことはなく。
ホッとするのと同時に…チェックアウトの時間とか大丈夫なのかな、と不安になる。
今の時間はまだ、七時だから大丈夫だろうけど…。
起きたらすぐチェックアウト、とか…勘弁かな。