もう推しとは言えない *番外編更新中
第10章 元彼VS好きな人
「…お前も俺のこと好きだったろ?また俺のこと好きになれ。」
「無理。私、好きな人いるから。」
…もう、推しじゃない。推しだけど、好きな人。
「はぁ…?」
不機嫌そうに眉を寄せた睦人は…チッ、と舌打ちをして。私に噛み付くようにキスをしてきた。
「ちょっ…」
「黙れよ。…お前は俺のもんだろーが。」
やめて!と睦人の身体を押し返す。
ここ、会議室で、しかもポチもいるのに…勝手にキスするなんて、最低…!
「各クラス、えーじゃあ…実行委員、男子生徒の方が各クラスの出し物について発表してください。てわけで、前に出て。」
「…真帆。覚えてろよ、お前は俺のもんだ。」
…だから、私は睦人のものじゃない!
そう睨み返したけれど、睦人は鼻で笑って…前に出る。
睦人が前に出た瞬間の、他のクラスの女子のざわめきと言ったら、すごい…。
まぁ、顔はイケメンだもんな…黙ってればね。
でも、ポチも可愛いしカッコイイしで、私はポチの方が好きだ。
比べるのもお門違いだけど。
「じゃあ、三年一組から。名前と、出し物と、その概要を簡単に。」
「えー…三年一組の実行委員、田口睦人です。」