もう推しとは言えない *番外編更新中
第10章 元彼VS好きな人
ふんっ、とまた鼻で笑った睦人は…そのあとは何故か何も言わなくなった。
その間に、一年生まで各クラスの出し物が発表されて…。
「…各クラスとも、ありがとう。じゃあ、次は各学年全体での出し物企画を考えるから、各クラスで考えてきて。
三年生のテーマは、未来。まぁ…進路とか色々あんだろ?そういうことじゃねーの?知らんけど。
で、一、二年生は、青春…よく分かんねぇけど、まぁ頑張れ。
じゃ、今日はこんな感じで終了。次は来週な。」
お疲れ、解散、とポチが締めくくる。
やっと解放される…けど、睦人は多分引かないだろうな。
はぁ…。
「吉岡。」
「は、はいっ?」
睦人に先に呼ばれると思ってたから…好きな人の声が先にして、思わず声が裏返る。
ポチは…何慌ててんの?と笑ってた。
「お疲れさん。…これ、昨日の授業で分かんねーって言ってたろ?まとめてきたから。」
「あ、ありがとう…ございます。」
一応…まだ、他の人とか先生も会議室にはいないけど、廊下に見える位置にいるから敬語。
でも、普段…ポチとはタメ口だったから、違和感しかない。
「…何?真帆、数学分かんないとこあんなら、俺が教えるけど。」
「い、いや…良いっ!」