もう推しとは言えない *番外編更新中
第11章 文化祭
「絶対嫌…!」
「いい加減素直になれっつーの。そんなんじゃ、他の女に俺取られるかもよ?」
「取られればいいじゃん。」
そんな私達の会話を、皆はただのカップルの痴話喧嘩だとでも思ってるのだろうか…何かニヤニヤ見られてる気がする。
私は本気で嫌だというのに…。
でも、不幸中の幸いといえるのは、ポチだけは誤解してないところ。
…まぁ、ポチは私が自分を好きとか微塵も思ってないだろうけれど、私が睦人を好きなわけじゃないことは、分かってくれてると思う…。
そうだ、ポチは…誰か、一緒にまわる人いるのかな。
どうせなら…ポチと一緒に見ていきたいな。
なんて思っていると…
「吉岡、少しいい?悪いな、クラスの出し物の準備中だけど、手伝ってくれ。」
「あっ、はい。」
ポチだ…!と嬉しくなる。
あぁ、やっぱり可愛い…今日は、いつものスーツじゃなくて、野球のユニフォーム…?
あ、そっか…毎年、野球部の方でも出し物出してるもんね。
なんて思いながら、ポチと浮ついている雰囲気の廊下を渡っていく。
「今年、野球部…何出すの?」
「中学生向けに、キャッチボールとか…色々と。お前のクラスは、コスプレだったっけ?」