もう推しとは言えない *番外編更新中
第11章 文化祭
「うん。睦人は男子だから、教室待機だもんね。」
「あぁ。…で、お前を呼び出したのも当然、オープニングセレモニーのことな。」
「何かトラブルあった?まだ早くない?」
オープニングセレモニーが始まるのは、九時からだ。
今は、まだ八時…予行練習は昨日済ませてるから、今日は二十分前くらいに集まればいいよ、って感じだったのだけど。
「…いや、特に何も。悪い、何か…たまたま、お前のクラス通りかかって、お前が困ってんの見えたから、嘘ついた。」
「えっ…じゃあ別に、手伝いとかないってこと?」
「あぁ。…戻るか?教室。」
「ポチがこのままここにいるなら、私もいる…。」
どうせ、クラスの方は準備なんてとっくに終わっているから。
ポチがいるなら…私もここにいたい。
「お前さ…」
「何?」
「いつまで俺のこと、推しとして見るの?」
「え…?」
ポチの表情は…感情が読み取れない。
普段の感じとは違う、それしか分からない。
どういう意味でそんなことを聞いてるのか…。
「…どういう、意味?」
「もういい加減…俺が耐えられない。」
(それ、って…)
迷惑だ…って言いたい?