もう推しとは言えない *番外編更新中
第11章 文化祭
でも、どうして今更…?
ポチは、なんだかんだで優しいから、今まではずっと何も言わなかったってこと…?
「…俺の事、推しとしてじゃなくて…、」
じっと私を見つめたまま…私の髪をそっと耳にかけてくれたポチ。
言葉の続きを待って…ポチを見つめ返す。
「真帆!俺も手伝いに…って、真帆から離れろよ。」
なぜか突然現れた睦人に言われて、改めて…ポチとの距離の近さにハッとする。
かぁっ…と顔が赤くなっていくのは、私だけじゃなかった。
「…男子は教室で待機だが、何かトラブルでも?」
「彼女の負担を減らしに来ただけだろ。」
「お前まだ懲りてねぇのか…いい加減にしないと、吉岡に愛想つかされるぞ?」
もうとっくに愛想尽きてるけどね…なんて心の中で思う。
…あーあ、また、ポチとの時間が邪魔された。
「そっちこそ…最近、やたら真帆の近くにいますけど何様のつもりなんすか。俺の彼女なのに。」
「お前の彼女じゃねぇだろ、吉岡は。」
「埒が明かないですね…じゃあ、こうしましょうよ。」
「ちょっ…やめてっ、睦人。」
急に私の肩を抱き寄せてきた睦人は…挑発的にポチに畳み掛けた。