もう推しとは言えない *番外編更新中
第11章 文化祭
「今年、野球部の出し物は…キャッチボールとバッティングでしたっけ?何か、軽くゲームみたいなのもするんですよね。」
「何が言いたいの?っていうか、睦人、離してっ!」
「嫌だね。九嶋先生…俺と勝負しましょう。それで、九嶋先生が勝ったら大人しく身を引きますよ。」
「はぁ!?何言ってんのっ…!?」
何で勝負するのか…なんて、睦人の言うことだし、何よりも最初に野球部の話をした時点で察しがつく。
やり方が汚い…!
「俺が投げて、九嶋先生が打つ…九嶋先生が投げて、俺が打つ…こんな感じでやって、先に打った方が勝ち。どうですか?」
「文化祭でやることじゃねぇ。一番の目的は、中学生に体験してもらうことと…来年以降も応援してもらえるよう、誠意を見せること。」
「良いじゃないですか。顧問がどれくらいの腕前なのか…中学生も気になってますよ?きっと。」
あぁ、それとも…と睦人はニヤリと笑う。
「…俺に負ける気しかしないから、怯んでるんですか?まぁ、そうですよね。」
「お前なぁ…」
「私も九嶋先生が野球してるとこ、見たいです!」
(誰…)
急に割り込んできた女の子。
ニコッとポチに笑いかけて、ギュッとポチの腕にしがみついた。