もう推しとは言えない *番外編更新中
第11章 文化祭
(なに、この子…?)
でも…悔しいくらい可愛い。
ポチはそんな子をチラッと見て、ため息をついた。
「…離せ。」
「わ〜、照れてるんですか?でも、九嶋先生がプレーしてるところ、見てみたいなぁ…文化祭だからこそですよ?」
「お前は脳内お花畑なのか?…とにかく離れろ。」
「ふふ…皆同じこと思ってますよ?一回、九嶋先生の本気のプレーを見てみたいって…柴田先輩も言ってました。」
「…だ、そうですよ?九嶋先生…逃げるなんてそんな卑怯なこと、しないでくださいよ。というか逃げたら俺の勝ちってことで。」
二人から責められて、ポチは…さすがに埒が明かないと思ったのか、はぁ…とため息をついた。
「…分かったよ。勝てばいいんだろ?ってわけで、さっさとお前ら自分の教室に戻れ。」
「いや、俺が勝ちますから。」
待っててよ、真帆、と爽やかな笑みを浮かべられても困る。
負けて、なんて本人に向かって言うのはさすがに抵抗があるけど…私はポチに勝って欲しい、と思わずにはいられなかった。
睦人と、あともう一人女の子…が何やら談笑しながら帰っていく。
私は、チラッとポチの方を伺った。
「…ポチ、大丈夫?」