もう推しとは言えない *番外編更新中
第12章 元彼VS好きな人 2
「フォアボールはなしで、三振とったら打者交代。こんな感じで良いですよね?」
「あぁ。せっかく中学生にも来てもらったんだから、ファールボールとかの判定もしてもらおうかな。
選別するようで申し訳ないんだけど、はい、野球部出身、あるいは野球クラブに所属してた子、手を上げてくれる?」
ポチがそう尋ねると、チラホラと手が上がる。
ポチはその中から何人か選んで…いよいよ勝負が始まった。
_まずは、ポチがピッチャー、睦人が打者。
ちなみにキャッチャーは…県予選のとき、キャッチャーを務めていた子だ。
三振取るには、睦人の方が圧倒的に有利…。
「沖田、ちょっと良い?」
ポチは…初めてキャッチャーの子、沖田くんと組むから、やっぱり最初は不安なのか…彼を呼び出して何か色々話していた。
数秒ほどして、二人とも定位置に着く。
「…投げんの久しぶりだな。」
「別に逃げてもいいんですよ?」
「はんっ、バカ言うな。一応俺にもプライドはあるんだよ。」
(ポチ、頑張れ…!)
ずっと真剣な顔つきになったポチは…まず一投目。
キレのあるストレート…本当にブランクがあるのか、と疑わしい威力。