もう推しとは言えない *番外編更新中
第13章 友達の好きな人 ※由香里side
前から来ていたらしい人と、思い切りぶつかってしまった…。
「す、すみませんっ…大丈夫ですか?」
慌てて前を向き…その人の無事を確認しようとする。
だけど、そこにいたのは…、
「ふっ…ちゃんと前見ないと、危ないですぞ?」
「っ…澤畠先生、」
澤畠雅則(さわはたまさのり)先生…この学校でおそらく一番の変人教師。
ちなみに、九嶋先生と同じく数学担当。
この人の授業を受けてると、確かに九嶋先生は『数学科の教員の中ではマシ』だと思える。
それくらい…変人、だけど、ものすごくすごい人(語彙力皆無)。
噂によると、東大に受かる実力もあったのに教わりたい教授がいたから、地方の大学に行ったとか何とか…。
あとは、アメリカとか海外の大学からも招待の声がかかってるとか…色々ヤバい人だと思う。
だけど、面白い。癖になる何かがあるんだよな…。
「…あぁ、もしかしなくても、九嶋先生と吉岡さんのことを気にしてるんですか?」
「…澤畠先生も知ってたんですか?九嶋先生と睦人くんの勝負。」
「えぇ、まぁ。別に私には関係ないですが…九嶋先生の機嫌が悪いとき、大抵私に厄介事が降ってくるのでね…。」