もう推しとは言えない *番外編更新中
第13章 友達の好きな人 ※由香里side
やれやれ、ありえませんな…とため息をついた澤畠先生。
「ふふ…じゃあ、九嶋先生が勝って良かったですね。」
「そうですね。…というか、吉岡さん的にも九嶋先生に勝って欲しかったんでしょうし、色々良かったんじゃないですか?」
「あそこにいる大半の人は睦人くんを応援してたと思いますけどね。」
まぁ、先生たちはどうだったのか知らないけど。
「まぁ…私には、どっちでも良い話ですな。とりあえずですね、椎名さん。」
「はい。」
「ちゃんと前向いて歩くんですぞ。じゃあ、私はこれで。」
そのまま…私の横を通り過ぎていく澤畠先生。
…緊張、した…。
(…不審な感じになってなかったよね、私…)
思えば、三年生になって…澤畠先生の授業じゃなくなっちゃったから、関わる機会もなくて…全然話せてなかった。
…でも、やっぱり私…澤畠先生のこと、好きだな…。
(はぁ…)
…二年生の時、バレンタインでチョコ渡すのと同時に告白はしたけど、もちろんフラれた。
それでも…諦めきれない想いがある。
今日…澤畠先生、全然普通だったな。まぁ、バレンタイン終わったあとも…澤畠先生の方は何も変化なく普通だったし…。