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もう推しとは言えない *番外編更新中

第2章 浮気現場




「す、すみませんっ…今すぐ持ってきます。」

「何やってんだよ、真帆。ただでさえ遅れてきたのに…あと、トーナメント表は?まさかそれも忘れたとか言わねーよな。」


すぐさま私を責める睦人の声に、うっ…となる。
でも、これは私が悪い…、ポチにちゃんと頼まれたことを私が出来てないから。


「ご、ごめんなさいっ…今、持ってきます。ビデオと一緒に。
えっと…この前の練習試合の時のビデオは、九嶋先生に送ったので、それを見て待っててください…」

「あぁ、そういえば渡されてたね。いつも見やすいようにやってくれてありがとう。」

「い、いえ…頼まれてたもの、今すぐ持ってきますね。」


(可愛い…それに、優しい…)

ポチはやっぱり癒しだ。
でも、それに甘えてちゃダメ…。

私は自分を奮い立たせて、春大会の時のビデオと、トーナメント表を取りに行き…また戻ってきた。
静かに教室に入ると、皆真剣に練習試合の時のビデオを見ていて。

あぁ…私、やっぱり迷惑かけてしまったな、と申し訳なく思う。
…睦人のファンに絡まれたとか、そんなの言い訳に過ぎなくて。ちゃんと、ミーティングの時間に間に合えなかったのは私の落ち度だ…。

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