もう推しとは言えない *番外編更新中
第13章 友達の好きな人 ※由香里side
「…椎名さん。」
「は、はいっ。」
「椎名さんと吉岡さんの担当は…何時までですか?」
「あ…あと二十分くらいですね。」
「じゃあ…吉岡さんが来るまで、私も店番してます。椎名さんが悪い男に襲われても困りますしね。」
「私を襲う物好きはいないと思いますよ…?」
…メイド服着てるから、心配してくれてるのかな。
嬉しい。
…澤畠先生とこうして、二人きりになれてることも、ある意味あの二人のおかげなのかな…。
というか、もしかして…九嶋先生の狙いだったりして?
(…後でお礼言お、)
癪だ…あんな人にお礼を言う事態になるとは。
「…世の中、色んな物好きがいますから。油断はしない方が身のためですぞ?」
「え…」
急に…顔を近づけてきた澤畠先生。
多分、先生と同世代の人達と比べたら…ずっと若く見えるし、何より、どことなく整ってる顔立ち…。
こんなに近くで…先生を見たことなんてない…。
ずっとずっと、近い距離…。
「さ、澤畠先生…」
「…油断するなと言ったそばから、そんなんで本当に大丈夫ですかぁ?顔、真っ赤ですぞ。」
「っ…澤畠先生が、急に顔近付けるからですよ。」