もう推しとは言えない *番外編更新中
第13章 友達の好きな人 ※由香里side
「じゃあ、椎名さんから離れれば良いだけの話ですぞ?ふっ…」
(そう、だけど…)
私からじゃ…先生から目を離せない…。
…先生に、思わず見惚れてしまいそうになっていると…。
不意に、私の手に…澤畠先生の手が重なる。
ドキッとして…ただ、私は…澤畠先生を見つめ返すことしか、できない。
「…椎名さん、」
また、ゆっくりと…澤畠先生の顔が近付いてくる。
もう十分近いのに…。
(あ…)
キス、される…?そんな甘い予感がして、私はそっと目を閉じる…。
「由香里〜、ごめんね!途中でいなくなっ…」
「バカが…すみませんでした、澤畠先生。」
「「っ…」」
ハッとして、私も澤畠先生も…慌てて離れる。
澤畠先生は立ち上がって…九嶋先生と真帆の方に行ってしまった。
「いやぁ…九嶋先生、デートに行くなら声かけてくださいよ。水臭いですなぁ。」
「ばっ…デートじゃないです!っていうか、声かけようと思ったんですけど、何か…邪魔するのもなぁって雰囲気だったんで、」
「…そうですかね。あー、まぁ…とりあえず、九嶋先生の方がデート終わったなら、見回りの方に戻りますぞ。」
「え?澤畠先生はいいんですか?」