もう推しとは言えない *番外編更新中
第14章 二人きり
よしよし、よく言えたな?とバカにしたようにポチが笑うから。
もう!と私も仕返しでポチの髪の毛をぐしゃぐしゃにしてみた。
「あっ、お前!せっかくセットしたのに…何してくれてんだよ。」
「大丈夫、変わらないから。可愛いよ、相変わらず。」
「ぶっ殺すぞ、お前。…はぁ、本当いつになったらお前にとって俺は推しじゃなくなるんだよ。」
「いつまででも推しだよ!ポチは永遠の推し。」
「何それ、サイアク…」
勘弁しろよ、バカ。とポチ。
でも…卒業までくらい、許してよ。
ポチは…好きな人でもあって、推しでもあるんだから。
「…吉岡、危ない。」
「えっ、あ…ありがと。」
(ビックリした…!)
たくさんの人がごったがえしている文化祭。
横を通る人とぶつかりそうになってしまったから、ポチが…私を抱き寄せてくれたのは良いけど、心臓に悪い。
…ドキッとしちゃうじゃん、そういうことされたら。
「…つか、全然俺ら宣伝してねーな。」
「あ、たしかに。でもさ、ポチ、うちの担任でも副担でもないのに、私のクラスの宣伝するの変じゃない?」
「確かにそうだな。…まぁ、んな細かいこと気にしてる奴いねーよ。」