もう推しとは言えない *番外編更新中
第2章 浮気現場
でも…その手を阻む存在があった。
「…九嶋先生、何すか。俺、真帆と帰るんですけど。」
「吉岡さんに用事がある。…君達はラブラブなんだから一日くらい一緒に帰る日がなくても続くんだろう?」
「…そっすね。じゃあ、真帆…とりあえず俺のクラスで待ってる。」
「あ、うん、分かった…。」
睦人が立ち去ってから。
ポチは、はぁ、とため息をついて…私の腕を引っ張った。
「えっ、ポチっ…?」
「大人しくついてこい、バカが…。」
「どこに行くの?ねぇ…」
「保健室に決まってんだろ。…お前、何怪我してんのにミーティングなんかに来てるわけ。
さっさとそれ、手当てしないとまずいだろうが、バカ。無理してんじゃねーよ…。」
「だって…今の時期、部員の皆に迷惑かけるわけにはいかないもん…。」
結局、かけちゃったけど…でも、それでも。
ポチの…私の腕をつかむ手の温度が温かくて、少しゴツくて…男の人だということを実感する。
こんな、可愛い見た目してるのに…。
「…迷惑かどうかは、お前が決めることじゃねぇ。周りが決めることだ。」
「…。」
「お前は、頑張ってる。…もう少し自信持てよ。」