もう推しとは言えない *番外編更新中
第15章 それぞれの葛藤 ※先生side
「俺、仮にも教師なのに…酷いと思いませんか?」
「…九嶋先生が犬っぽくて可愛い、という意見には比較的賛成ですかねぇ。だからといって、ポチと呼ぶかどうかは…」
いや、賛成するなよ…。
この人、俺のことちょくちょくからかってくるんだけど、何で?
でもそういえば…この人、一応俺の大学出身なんだよな。絶対もっといい大学いけただろ…。
「…吉岡が、俺を好きになりゃいいのに、」
思わずそう独りごちると…澤畠先生はニヤニヤ。
あ、やべぇ…失敗した。
「さっさと告白してあげればいいじゃないですか。まぁ…外野がどんな反応するかは、また別の話ですけどな。」
「そんな簡単に言わないでくださいよ…。」
そんな簡単なことじゃないんだって、本当に…。
…吉岡、早く俺を好きになれよ。
推しとしてじゃなくて…本当、俺を一人の男として意識して、なんて…教師としてあるまじき感情。
でも、抑えることは出来そうにない。
「…澤畠先生がもし、生徒を好きになったら、その時はどうしますか?」
「…その時は…どうでしょうね。気分です。」
ふっと少しだけ…澤畠先生の表情に影があった気がしたが…気のせいか?