もう推しとは言えない *番外編更新中
第15章 それぞれの葛藤 ※先生side
《 澤畠 雅則 side 》
(はぁ…)
…何で、なんて、私の方が知りたい。
あの時…どうして私から、彼女に近付いたのか。
彼女の戸惑ったような、それでいて、何かを期待したような…赤くなった顔に、私は一体…、何をしようとしたんだろうか…?
こんな、不可解なこと…彼女以外の女性で感じたことはない。
別に自慢ではないが…九嶋先生の言う通り、女子生徒に迫られたことなら、何度もある。
だからって、それに応えるとか言語道断で…。
至って冷静に対処した。申し訳ないというより、女子生徒に手を出すとか、普通に考えてありえない。
キスもそう、セックスなど論外…といったところか。
いや…案外、気持ちなどなくてもセックスなんて出来る、ということもあるのかもしれないから、そういう意味では…キスの方が論外?
まぁ、どっちでも良い。
とにかく…告白されようが、そういう恋人とするような行為を迫られようが…応える気などさらさらなくて。
若い頃はともかく、この歳にもなれば、むしろ…冷めた目で見れる。
こんなオジサンに、そんなことを迫って何がしたいんだ、と。
パパ活でもしたいなら、他の人を当たれ、と。
…私なんて別に、何か特別なものを持ち合わせてるわけじゃない。