もう推しとは言えない *番外編更新中
第16章 クリスマス
「…生意気ですなぁ、高校生のくせに。」
「わっ…ぐしゃぐしゃにしないでくださいよ。」
「ふっ…まぁ、お遊びはここまでですぞ。ほれ、さっさと教室戻るんですな。」
ほれほれ、早くするんですな〜と澤畠先生は私達を追い出す。
ポチも、早く教室行かなきゃ遅刻すんぞ、とトドメの一言。
むぅ…と思いながらも、由香里と教室に入る。
「…由香里はすごいね…あんなサラッと好きな人って。」
「え?あぁ…どうせ、振り向いてもらえないのは確定だし…私の好きにさせてもらおうと思って!」
「強いなぁ…由香里は。」
フラれたら、私はそんなメンタルの強さ、出せないと思う。
…まだ、未だにポチに告白すら出来てないし。
もうそろそろ…卒業の時期なのに。
「…二回フラれたからね、逆になんか、吹っ切れるっていうか…思いきれるって言うか。
澤畠先生からしたら迷惑かもしれないけど、本気でウザがられるまでは、このままで行こうかなぁって。」
「うん…私から見たら、澤畠先生、何だかんだ楽しそうだったよ?由香里と話してて。」
「そうかなぁ…?そうだといいな。」
そう言って浮かべた由香里の表情は、完全に恋する乙女のそれだ。