もう推しとは言えない *番外編更新中
第16章 クリスマス
頑張れよ、と柊先生は言う。
まぁ、頑張るけど…でも、ポチと面接練習…それどころじゃなくなりそうかも、逆に。
「…はい、じゃー、皆こっち注目ー。
今日はー…特に何もねぇけど、明日終業式な。その次にクリスマスがあるけど、浮かれすぎないように。
学校でクリスマスパーティーとかしたら、即アウトな。」
以上、と手短に話を終えた柊先生。
今日もまた…いつもと変わらない一日がはじまる。
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_そして、終業式も昨日終わって、今日は二十四日、俗に言うクリスマスイブ…恋人達が浮かれる日。
まぁ、私はこれから面接練習に学校に行くんだけどね…!と悲しくなる。
ポチも、いないかな…。
そんなあわよくばな期待を抱きながら、学校に向かって…野球場の方に視線を向けると。
「あ…ポチだ、」
向こうは私に気付いてないんだろうけど…ポチが沖田くんに向かって、鋭いボールを投げる。
ピッチングの練習かな…?
そんなことを思いつつ、ついうっかり見つめてしまう。
すると、視線を感じたのか…ポチがこっちに視線を向けて。
バッチリ目が合ってしまった…。
やや呆れたような表情をしたポチは、部員達になにか言ってから、私に近付く。