もう推しとは言えない *番外編更新中
第16章 クリスマス
「…んー、何でこんな手ぬるい問題しかないんですか?ありえないでしょう、全く…」
ブツブツ言ってる…過去問に対して。
というか、何となく嫌な予感…。
「…こうなったら、私がつくりますか。」
「えぇっ、」
「何を驚いてるんですか?…過去問は所詮過去問です。あとでプリントしてお渡ししますから、自分でやっとくんですな、そんなもの。」
私が指導するまでもない、と言い切った澤畠先生。
そういう発言、澤畠先生だから許されるんだよ…。
「…じゃあ、ほれ、これとかどうですか?われながら良い問題ですぞ。」
満足そうな澤畠先生の微笑み。
…これ、数Ⅲレベルじゃんか…いや、いいけど!
そう思ったのも最初だけで…面接練習初日、私は手も足も出せずに撃沈したのだった…。
「…いやぁ、酷いものですな。」
「す、すみません…」
「明日、九嶋先生にもみっちりやってもらわないとですね。…とりあえずこれ、宿題です。次の面接練習の時までに終わらせるんですぞ。」
「次、って…始業式の前の日でしたっけ?」
「確かそれくらいです。…まぁ、明日も私はいるので、九嶋先生とやる前とか…来てくれても構いませんが。」