もう推しとは言えない *番外編更新中
第16章 クリスマス
「分かった、良いよ。…へへ、ポチと夕飯食べに行くなんて変な感じだね。」
「光栄に思えよ?奢ってやるんだから。」
「うん、ありがと!…私お腹空いたから、遠慮なく頼んじゃお。」
「俺の財布が許す限りで頼むわ。まぁ、とりあえず…車出すから、昇降口辺りで待ってて。」
分かった、と頷き…そこでポチと一旦別れる。
…まさか、クリスマスイブという今日に、ポチと一緒にご飯食べに行けるなんて。
こんな夢みたいなこと、あるんだなぁ…。
ポチに言われたとおり、昇降口の辺りでポチが来るのを待ちながらミルクティーを飲んでいると。
「悪ぃ、吉岡。待たせたな。」
「ううん。というか…ポチ、私制服だけど、大丈夫?」
「問題ない。服も買ってやるよ。軽くドレスコードあるみたいだし…俺もスーツに着替えた。」
「あ、本当だ…ってえ、ドレスコード…!?そんな店に私がいていいの?」
「まぁ、軽くだし、そんな硬くなるな。」
大丈夫だから、とポチは言うけど…少し不安になってしまう私だった。
何やかんや言いながらも、ポチの車に乗って、まずは女性のファッションブランドのお店に。
ドレスとか、綺麗な服ばっかりで気後れしそう。