もう推しとは言えない *番外編更新中
第16章 クリスマス
「すみません。」
「はい。何でしょうか?」
「彼女に似合うワンピースを一着、お願いしても良いですか?」
「かしこまりました。色の指定などは…」
「そうですね…暗い系の色でなければ、何でも良いです。すみません、ハッキリしてなくて…。」
「いえ、そういうお客様も多いですから、気にしないでください。」
ふふっと上品に笑った店員さんは、私をじっくり見てから…私を手招きして、こちらはいかがですか?と、爽やかな青色のワンピースを見せた。
今は冬ということもあって、長袖で、スカートの丈の長さも長め。
ただ、店員さんいわく夏でも着れるらしい。
「どう…かな?」
さすがに、店員さんの手前、ポチとは呼べない。
勧めてもらったワンピースを私の前にもってきて、ポチに判定をねだる。
「似合う。」
「ふふっ、ではこちらにしますか?あ、でも…このオレンジ色のワンピースもお客様に似合いそうですね。少し失礼しますね、」
そう言って、店員さんが私に当てたワンピースは…薄いフリル素材の、オレンジ色の少し華やかめなワンピースだった。
可愛い、と言うよりも綺麗、という印象が残る、大人っぽいデザイン。