もう推しとは言えない *番外編更新中
第17章 合格発表
はは、と苦笑いされた…え、なぜ?
「えー、それでは…まずは、本校の志望理由を一分以内で簡潔にお願いします。その後、我々から質問するので。」
「はい。」
(緊張する…)
とりあえず、用意していた答えをサラッと伝える。
1分以内だと、結構時間的に厳しいな…というのが感想だった。何とか間に合ったけど。
その後、志望理由に対する質問を何個か受けて、いよいよだった。
「それでは…口頭試問の方に入らせていただきます。吉岡さん、スクリーンをご覧ください。」
パッ、とスクリーンに映し出されたのは…恐らく三次関数のグラフだ。
ということは、数IIの微分積分辺りだろうか…いや、もしかすると数Ⅲの範囲も含まれるかもしれない、と頭の中で予想をつけていく。
これも、澤畠先生に教えてもらったテクニックだった。もちろん、この問題を先生との練習で扱ったことなどないし、宿題にも含まれていなかったが。
「こちらは、どんな関数のグラフだと思いますか?」
(落ち着け…あれはどう見ても、三次関数…!)
心を落ち着かせながら、何とか平常心を保ってその後の質問にも難なく答えていく。
何問か、分からなくて頭がこんがらがりそうだったけれど…何とか乗り越えた。