もう推しとは言えない *番外編更新中
第17章 合格発表
「いえ、大丈夫ですっ…」
さすがに、ハサミは…と思って自分の手で開ける。
「あっ…」
開けた時、合格、の文字が見えて…安心しすぎて、思わずそれを落としてしまう。
「ちょっと…大事に扱ってくださいよ。」
「すみません…。ありがとうございます。」
「まぁ…合格、おめでとうございます。よく頑張りましたな、本当に。」
「はい…ありがとうございます。」
澤畠先生が面接練習付き合ってくれたおかげです、とお礼を言う。
「…あなたの努力でしょう。私のおかげなどではないですな。まぁ、親御さんとか…他のお世話になった先生方に、ちゃんとお礼とか報告とかしてあげるんですよ。」
「はいっ…ありがとうございました、澤畠先生。」
「…もしかしたら、吉岡さんをまた教えることになるかもしれませんが、そのときはまた…ということで。じゃあ、とりあえず、気をつけて帰るんですよ。」
「はい…失礼しました。」
意外と、焦らされずに済んだ…受かってて、良かった…!
私はルンルン気分で、わかりやすいくらい浮かれて…教室に向かう。
多分、由香里にとってみたら、私の反応だけで分かっただろう、結果がどちらか。