もう推しとは言えない *番外編更新中
第18章 告白
「九嶋先生〜!」
「ん?どうした。」
「これっ、今日、バレンタインなので!あげます。」
「あー…悪い、俺、好きなやつからしかもらう気ないから。あんまり甘いの好きじゃねぇし…ごめんな?」
「あ、そうなんですか…?え〜、硬いですね、受け取ってくださいよ。」
(好きな人からしか貰う気ない…)
その言葉が、軽くショックを与える。
私の代わりに入ってきたらしいマネージャーちゃんがポチに渡そうとしてるのは…結構有名な高級チョコブランドのもの。
それでさえ断られてるなら、私は…。
「…ま、とにかくそういうことだから。他のやつにあげなよ、それ。きっと喜ぶよ。」
「え〜…九嶋先生に用意したのにですか?」
「でも、捨てるの勿体ないんでしょ?だったらそうするか、自分で食べるか…二択じゃない?」
「そうですけど…」
納得のいかなそうなマネージャーちゃんに、ポチは全くもって冷たい反応だった。
「…あと俺、しつこいやつからもらう気ないんだよね、ごめんね。」
サラッと冷たく言い放って…ポチは、こっちに向かってくる。
あ、と…思わず声が漏れてしまった。
(私のは…もらって、くれないよね、)