もう推しとは言えない *番外編更新中
第18章 告白
「…吉岡、帰らないの?」
「え…あ、うん、帰る…けど、」
なんとも言えない空気が、私達の間に漂う。
ポチは、何か言いたげだけど…。
「…吉岡は、誰かにバレンタインとか、あげんの?」
「え?あ…友チョコとかは用意してるよ。午前中配りに行った…」
「…へぇ。本命とかは?」
「ま、だ…もらってくれるか分からないし、」
ポチは…もらってくれる?
私からのチョコでも。だって、今年は推しに対してじゃない…本命、なの。
それでも、受け取ってくれるのだろうか…。
「…渡してみないと分かんねーだろ。まぁ、俺が口挟むことじゃないかもしんないけどさ。」
「そんなこと言ってる、ポチは…受け取ってくれるの?好きな人からしか…貰う気ないんでしょ?」
そう言うと、ポチは聞いてたのか、と少し驚いたような顔をして…。
でも、すぐに頷いた。
「…あぁ。お前からしか、もらっても嬉しくない。」
「っえ…?私から…?」
それって…。
その意味を聞こうとするよりも前に、ポチは…。
「…いい加減、お前、俺のこと推しとしてじゃなくて男として見ろよ。
分かってんのか…?俺が、お前のこと、どれだけ好きか。」