もう推しとは言えない *番外編更新中
第19章 未来
拓斗の次の言葉に…私は耳を傾ける。
「…俺は、真帆に一目惚れだったんだよ。お前以外眼中にねぇの、ずっと…初めて会った時から。
お前は記憶にねぇだろうけど、真帆が…高校に入学する前の話だよ、俺が真帆に一目惚れしたの。」
「えっ、嘘…私、高校に入学する前に拓斗に会ってたの?」
全然、覚えてない…。
でも、案外家近いし、不思議なことではないのかも。
そう考えると…何だか、縁があったのかな、なんて。
「…コンビニでさ、俺が車の鍵、レジに置いてった時、真帆が追いかけてきてくれたの。
…あの時の真帆が一生懸命で、真っ直ぐな瞳で俺を見てて…何だろうな、俺も訳わかんねぇけど、真帆に一目惚れした。
だからさぁ…ずっと、真帆に推しとしてしか見られなかったの、辛かったんだよ、俺は。しかも、カッコイイならまだしも…犬みたいで可愛い、はあんまりだろーが。」
「…ご、ごめんって…でも、本当のことだよ?」
でも、そっか…そんなに前から、拓斗は私を好きでいてくれたんだ。
一年生になる前から…ってことは、私が陸斗と付き合っていた時も、ずっと…?私を好きでい続けてくれたの?
何それ…すごく、嬉しい。