もう推しとは言えない *番外編更新中
第19章 未来
私は、笑顔で…拓斗の胸に飛び込んだ。
「はいっ…喜んでっ。」
「ふっ…可愛いヤツ。なぁ、真帆…こっち向けよ。」
「え?あ…」
何をされるか…してくれるか、なんて。
拓斗の表情を見たら、すぐに分かった。
すぐに察したから…私は、拓斗の方を見上げたまま目を閉じる…。
「…真帆。俺、お前が好きだ。」
「私も…」
そう、答えた瞬間に…唇に、そっと温もりが伝わる。
拓斗の唇が…私のそれに重なる。
「ん…」
「真帆…」
何度も、何度も。
お互いを求めるように…角度を変えて、キスが降り募る。
甘くて…拓斗の優しさ、想い、そういうのが伝わってくる幸せなキス…。
拓斗とのファーストキスは、もっと前だったけどあの時とはまた違う、幸福感みたいなのがある。
…恋人になってからの、特別なキス。
大好きだよ、拓斗…そんな想いのまま、私は拓斗のキスに応える…。
「んっ…拓斗…」
「悪い…急に、やりすぎたか。ごめん、我慢できなかったわ。」
「もう…でも、拓斗だったら良いよ。」
「あんまり可愛いこと言うなよ、真帆。ここで襲うぞ?痛い思い、したくないだろ。分かったら…俺を煽るな。」