もう推しとは言えない *番外編更新中
第21章 番外編 最後の○○
卒業式だからかな…?でも、かっこいい。
澤畠先生に見惚れながらついていくと…先生が止まったのは、校庭の奥の方…体育館で陰になっているところ。
確かにここは、あまり目立たないし…人もそこまで今日はないだろう。
「澤畠先生…、どうしたんですか?」
会えたのも、話せるのも、二人きりになれるのも嬉しいけど…澤畠先生の方から来てくれるなんて、思ってなかったから…。
「…まずは、卒業、おめでとうございます。」
「あ、ありがとうございます。…澤畠先生と会えなくなるの、寂しいですけど…。」
「ふっ…別に、会いたくなったら、遊びに来てくれても構いませんぞ?学校に、ね…家には来ないでくださいよ?さすがに。」
あのときは驚きましたなぁ、と澤畠先生。
バレンタインの時のことを言ってるのだろう。
私も、かなり迷ったけど…でも、当日に渡したかったのが大きかったから…多分、もう澤畠先生の家に行く勇気は出ない。
「…多分もう、澤畠先生の家に行く勇気は出ないです。あの時は、悔しいですけど九嶋先生に背中押されたのもあったので。」
「…私にとっては良いんだか悪いんだか、ですね。」
小さく失笑した澤畠先生。