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もう推しとは言えない *番外編更新中

第3章 甘えろよ


(あー、もう…バカみたいっ)

早く、睦人のことなんか諦めよう…明日、睦人にちゃんと別れてもらおう。
亜梨沙って子と幸せになりなよ、って笑顔で言うんだ…後腐れないように。別れても、皆に勘づかれて気まずくならないように。


「本当お前…バカじゃねーのか。泣きたいなら泣け。」

「バカじゃないもん…」

「つべこべ言うな。口塞ぐぞ。」


え…と戸惑っている隙に、ポチの顔がすぐそこまで迫る。あと少し、お互いが動けば…唇が触れそうになるくらい、近い…。


「…キスされると思っただろ?で、当然お前は顔を背けた。普通はそうなんだよ。」


ポチはそう言って…すぐに私から離れる。
心臓に悪い…!推しにキスされそうになったなんて、心臓が止まるよ…!?

(っていうか、別に私…)

キスされても、嫌じゃなかった…。


「…余計なお世話だろうが、お前、田口と付き合ってたら泣かされるだけだ。
お前にはもっと良い男がいるだろ。…自分に自信を持て。」

「…ねぇ、ポチ、どうやったらその自信、つくの?教えてよ…」

「誰よりも努力して、強い自分を磨きあげること。誰かに評価してもらうこと。
…相手からの称賛を素直に受け入れることだ。」

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