もう推しとは言えない *番外編更新中
第3章 甘えろよ
「…なるほど、」
「まぁ…とりあえず、もう帰るぞ。送ってってやるよ、車で。」
「えっ、ダメだよ。誤解されるよ?」
「誤解?…あ〜、俺とお前が付き合ってるとか、そういう事?なわけねーじゃん、俺が女子生徒に手を出すと思う?」
「…思わない、けど…。」
「…いや、そこは少しは疑え。まぁ、出さねぇけどよ。とにかく…お前は少しくらい、甘えとけ。」
駐車場で待ってろ、とポチは言って…。
私は、コクっと頷き、昇降口でローファーに履き替えてから、駐車場でポチのことを待つ。
待っていた、んだけど…先に来たのは、ポチじゃなくて…。
「おい。…何俺のこと無視して先帰ろうとしてんの?」
「り、睦人…」
「お前は俺の彼女だろうが。…帰んぞ。」
「っ…離して!睦人には、私じゃなくて亜梨沙って子がいるでしょ?」
そう言い返すと…睦人は軽く目を見張った。
私が知ってるとは、思わなかったの…?あんなにバレるようなことしておいて?
「あぁ、いるけど。で、それが何?関係ねぇよ、お前は俺の女ってことには。」
「っ…もう、睦人にはついてけないよ。私じゃなくて、亜梨沙って子と…」
「うっせーな…何、亜梨沙に嫉妬してんの?」