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睦人は…そんな私をちらりと見て、すぐに帰っていった。


「…ごめんね、ポチ。私の押しが弱くて…」

「お前のせいじゃねぇ。あれは相当やばいな…。」

「…あと、ごめんね、もしかしたら睦人…私とポチが付き合ってるとか思ってるかも。」


そんなわけないのに…。
でも、もしもポチと付き合えたら…何だかんだ、ポチは彼女のこと大切にしてくれそう。

口は悪いけど、何だかんだでちゃんと見てくれてるし、優しいから…。


「…お前は余計な心配すんな。お前が犬みてぇに俺に懐いてるのは周知の事実だろ。
…とりあえず、乗れよ。そんで、お前の家まで案内しろ。」

「うん。…でも、犬っぽいのは、私じゃなくてポチだからね？」

「誰がポチだ。いい加減、そのあだ名も何とかしろ。」


そう言いながらも…ちゃんと反応してくれちゃってるし。
ポチ、って呼び慣れてるから…もう今さら、他の呼び方は出来ない。


「…まぁ、お前だけは特別に許してやるよ。」

「え、何を？」

「…俺のこと、ポチって呼んでいいの、お前だけな。」


他のやつに呼ばれんのは勘弁だ、と可愛い顔を顰める。
私だけって…何か、良いな。


「ふふっ、やっぱり可愛い〜、ポチ。」