もう推しとは言えない *番外編更新中
第3章 甘えろよ
「…可愛くねーっつーの。ったく、」
「だって、ポチは可愛いよ。皆言ってるじゃん、犬みたいで可愛いって。あれ、褒めてるんだよ?」
本当に可愛いもん…ズルいくらい。
まさに癒し。最高の推し。
「…どんなに可愛かろーが、俺は男だ。油断してんじゃねぇ。」
「えっ…ん、」
不意に…私の唇に、ポチの指が触れる。
私を見つめるポチの表情は…可愛い、よりも男の人だということを意識させるような…大人な表情だった。
「…俺がその気になれば、お前をこの場で犯すことだって出来る。お前の”推し”である俺に対する好意を悪用することも。
少しは…お前は女だということを自覚しろ。あんまりにも無防備だと、田口にまた襲われるぞ。」
「その時は…また、ポチが助けてよ。」
「あぁ。…ちゃんと助けを呼べよ、そのときは。急いで向かってやる。」
あ…本当に来てくれるんだ。冗談だったのに。
…でも、この上なく頼もしく見えて。
ありがとう、って…ポチに伝えたのを最後に、私の意識はプツリと途切れた。