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もう推しとは言えない *番外編更新中

第1章 推しと彼氏



(あぁ、可愛い〜…!)

私に頼み事をしてきたのは、野球部の顧問であるポチ。
ポチ、って言うのはもちろんあだ名。本名は、九嶋拓斗先生。

だけど、その見た目が犬っぽくて可愛いことから、私は勝手にポチと呼んでいる。
何を隠そう…ポチは私の推し!とにかく可愛いし癒される…。

彼氏も推しもいるこの空間、幸せすぎる…。


「そろそろ、予選も近い。春の大会の結果を踏まえて、各々自分に何が足りないか考えながら練習に取り組むこと。
ちなみに今週末は、練習試合を入れてある。手ぇ抜くなよ。」

「はい!」

「俺からは以上。お前らからは何かあるか。」

「俺から少し。良いですか?」


(あ、睦人…)

今日もまた、厳しい顔をしている。
睦人は自分にも他人にも厳しいから、敵を作りやすい性格で…心配。今は実力で捩じ伏せちゃってる感じが凄くあるし…。


「お前らな、危機感無さすぎ。何だ、あのショボイミスは。本番やらかしたら笑えねんだぞ!
スポーツってのは流れが大事なんだよ!あんなくだらないミスでチームの流れを悪くするやつはこのチームにはいらねぇ。」


冷たい声と言葉に、流石に周りの部員の顔が引き攣る。
確かに、睦人の言ってることは間違ってない、けど言い方が…。

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