もう推しとは言えない *番外編更新中
第4章 約束
パチパチ、と拍手が起こって…睦人達は、それにペコッと一礼してから、私とポチのところに向かってくる。
「お疲れ様、皆。水分取ってね。」
「…吉岡先輩、すみません、勝てなくてっ…。」
そう、涙ながらに私に謝ってきたのは、二年生にしてうちのチームの大エース的存在の柴田くん。
守備も攻撃も優れているから、三年生が引退したらこの子を中心にチームが出来上がっていくんだろう、と思う。
「来年、絶対…勝ちます。だから、吉岡先輩…応援に来てください。」
「うん、良いよ。差し入れも持ってくるね、その時は。」
「ありがとうございます。あと、吉岡先輩…、」
どうしたの?と聞くと…ベンチ入りを果たせなかった子も含め、私の前にずらずらっと並んで…。
柴田くんが、紙袋を私に差し出した。
「マネージャーとして…俺達のサポートをしてくれて、ありがとうございました。いつも、笑顔で俺達を励ましてくれて…本当にっ…」
「柴田、頑張れ!」
「頑張れ〜、柴田。」
(やばい、もらい泣きしそう…)
泣かないって決めてたのに。泣いたら…全部、みんなの努力が流れていってしまいそうだから。
「吉岡先輩がいなかったら、俺達はここまで強くなれなかったです。」