もう推しとは言えない *番外編更新中
第4章 約束
とっとと帰れ、疲れただろ、とポチ。
その言葉に、後輩達も三年生達も皆揃って…色々と話しながら帰っていく。
だけど、私は…。
「ねぇ、ポチ。」
「何だ。」
「…私、マネージャーとして力になれたかな?」
(不思議だ…)
ポチと話していたい。
癒しが足りない…。
「…十分すぎるくらい、お前は力になってくれたよ。よくやってくれたな、吉岡。」
「えへへ…それなら、良かった。」
「あぁ。…お前も、疲れたろ。早く帰ってゆっくり休めよ。明日も学校なんだから。」
「うん。ねぇ、ポチ…ポチの連絡先、聞いていい?」
そう聞くと、怪訝そうな顔をされた。
…そういう顔しても、可愛いだけなんだけどなぁ。
あぁ、可愛い…尊い。
「構わないが…俺はマメじゃねーぞ?」
「良いの。…推しと繋がれてるだけで、嬉しいの。」
「あっそ…。まぁ、お前、本当に頑張ってくれたしな…そうだ。」
ふと思い出したように…ポチは、私の方を見る。
少しタレ目がちな目が、私を見つめた。
「お前が望むなら、一緒に花火でも見るか?そういうの好きだろ、お前。」
「えっ…良いの!?推しと花火見れるなんて、最高の幸せだよ!」