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もう推しとは言えない *番外編更新中

第5章 花火


「良いじゃん、私だけはポチって呼んでもいいんでしょ?」

「減らず口が…。っていうか、お前、今日…」


ジーッと物珍しそうに私を見つめるポチ。
そのつぶらな瞳は、まさに犬みたいな感じで可愛い。

あぁ…最高の癒しだ。


「…馬子にも衣装、だな。」

「えっ、ちょっと、酷くないっ!?」

「嘘。…似合ってるって言ってんだよ、バカ。」


バカ、と言うのと同時に…照れ隠しなのか、少し赤くなっている顔を背けながら、私の頭をコツン、とこづくポチ。
…可愛すぎか。ツンデレか。

(似合ってる、って…言ってくれた…)

それが嬉しい…。


「お前、危なっかしいから。手、出せ。」

「えっ、何で…?」

「良いから。」

「もう、何よぉ…」


分からないまま、渋々手を出すと…ポチはサラッと何食わぬ顔で私の手を繋ぐ。
突然の行為に、私の心臓が騒ぎだした。

(お、推しと…手ぇ繋いでるー!!)

神様、私を殺す気ですか??
というか…どうしようもなく、ドキドキしてしまってるのは…異性と手を繋ぐなんて、幼稚園生ぶりだったからだよね。

断じて、由香里の言うような…ポチのことを、男の人として意識してるとか、そんなんじゃ…。

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