テキストサイズ

もう推しとは言えない *番外編更新中

第5章 花火



ポチに連れ回され…無事、大判焼きとチョコバナナを購入して…ポチ曰く『一番花火が綺麗に見える穴場』にやってきた。
本当に穴場で、誰もいない…二人きり、ってこの状況にどうしようもなく胸が騒ぐ。


「…吉岡。お前こそ、彼氏とか今はいねぇの?」

「いないよ…。睦人とは別れたし、もう受験生なんだから、そんな恋愛とか…。」

「それもそうだな。…お前に好きな人出来たら、応援してやるよ。」

「相手が誰であっても?」

「あぁ。さすがに既婚者とか言われたら困るが。」


(じゃあ、ポチを好きになったら…?)

いや、私も何考えてるんだろ。
そんなこと、あるわけないじゃん…だって、ポチは推しなの。推し。

恋愛対象になりうる存在じゃない。
推しと、恋愛対象は違う…。


「…俺もチョコバナナ、久しぶりに食いてぇ。一口くれね?」

「良いよ。その代わり、大判焼き、私にもちょうだい。」

「交換な。」


ん、と差し出された大判焼き。
それを受け取って、代わりにチョコバナナを渡す。

差し出された大判焼きは…こし餡が入っていた。
これ、関節キス…と思いながらも、一口かじって食べる。


「美味しい…。」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ