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おかしいな、と首を傾げるポチ。
やばいほど可愛い…。

でも、感じるのは…推しに対するような感情とは少し違っていて。今までとは少し違くて。


「ポチ…私なら、大丈夫だから、心配しないで。至って体調は大丈夫！」

「そうかぁ…？まぁ、無理そうだったら言えよ。安心しろ、お前のことは俺が守ってやるから。」


サラッと…そういうこと、言わないでよ、もう。
ドキドキするから…。

ふと空を見上げると、もう花火もクライマックスを迎えてきてるのか…かなり大きな花火。
綺麗、だけど…すぐに散ってしまう儚さみたいなものを感じる。

（…ポチといるからかな？）

今まで、花火を見てきたこと何度かあったけど、感じ方が全然違うの。
…未だに、ギュッと繋がれた手。

温かくて、ゴツゴツしてて…私の手よりも大きい、男の人って思い知らされる手。
ラストの花火が打ち上がって…あぁ、これで終わりか、と少し寂しく思った。


「…ポチ、帰る？」

「まだ余韻に浸らせろよ。情緒のねぇやつだな。」

「でも…。」

「…俺といるのは嫌？」


（ズルい…）

そんな可愛い顔して、そんなふうに聞かないでよ。
嫌なんて、言えるわけないじゃん…実際、嫌なんかじゃない。