もう推しとは言えない *番外編更新中
第5章 花火
「あっ…」
本当、だ…。
いや、でも待ってよ、だからってキスする理由になんか…!
「…ポチは、誰にでもキスするの?こういう雰囲気になったら。」
「…さぁ。お前としか、こんな風に二人で花火見に行ったことねぇし、分かんねー。
…でもまぁ、ファーストキスではねぇだろ?」
「…うん。でも、どっちにしても…」
嫌だよ。
悔しいくらいに…ドキドキ、してしまったことが。
もう一度、して欲しいとか…思ってしまってる自分が。
「…責任もって、もう一度して欲しくなったら、してやるよ。キス。
ただし、学校の人には内緒だからな。絶対言うなよ?」
「うん、言わない…というか、ポチ、生徒にキスして大丈夫なの?」
「…生徒とか、それ以前に、お前は一人の女だし、俺は一人の男だろ。ここは学校じゃねぇ…今の俺は、完全にプライベートとして来てる。
…生徒に手は出さねぇって言ったけど、例外もあるかもしれねぇからな。」
じっと私を見つめる、ポチの目は…完全に、”男”って感じの目。
…やばい、って本能的に感じる。
「…まぁ、帰るか。さっきのキスは、忘れたけりゃ忘れろ。」
「うん…。」
「…連絡先、せっかく交換したんだし、頼りたくなったらいつでも俺を頼れよ?」