もう推しとは言えない *番外編更新中
第1章 推しと彼氏
うーん…まぁ、どっちでもいいか。
睦人だって冗談で言ってるんだしね。
「…じゃあ、また明日ね、睦人。」
「あぁ。」
いつもの場所で別れてから、私達はお互いの家へと帰った。
_そして、翌朝。
眠いながらも学校に向かい、部員達よりも早く野球場で準備をする。
ボールを出し、コート整備をし、熱中症対策として塩飴も準備して、十リットルくらいの容量の大型ボトルに麦茶も入れてきた。
とりあえずこんな感じかな…今は。
「朝から偉いな、お前は。こんなに立派に働いてくれるマネージャーはお前が初めてだよ。」
「あっ、ポチ!おはよー!えへへ、ポチに褒められちゃったぁ。」
「誰がポチだ!ったく…しょうがねぇヤツだな。」
「え〜、良いじゃん。」
部活の時以外は、ポチとはタメ口だ。
何となく…。
部員がいる前以外では、ついついポチと呼んでしまうし、タメ口になってしまう。
ポチも、『吉岡さん』じゃなくて、『お前』と私を呼ぶ。
少しお互い丁寧さが抜けて、代わりに距離が近い感じ。
「…あんま無理すんじゃねーよ。お前に倒れられたら、誰が世話すると思ってんだ?」
「え、ポチ?」
「…お前なぁ。田口じゃねーのかよ、そこは。」